高精細印刷を実現した「フェアドット」とは

これまでのオフセット印刷では、絵や写真のシャープさが欠けてしまったり、小さな文字や細い線がかすれてしまったりと、印刷結果に不満が残ることがありました。これらの弱点を解決したのが大日本スクリーン製造が開発した「Fairdot(フェアドット)」という技術です。フェアドットの技術は印刷にどのような革新をもたらしたのでしょうか。従来の印刷技術とあわせてご紹介します。

AMスクリーンとFMスクリーン

商業印刷で用いられる「オフセット印刷」は、一般的に「AMスクリーン」と呼ばれる方式が用いられています。カラー印刷はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を用いて印刷します。色はそれぞれ独自の角度(シアン15°、マゼンタ75°、イエロー0°ないし30°、ブラック45°)を持ち、「網点」と呼ばれる点の大きさを変えることで色の濃淡を表現。4色を重ね合わせて様々な色を作り出しています。AMスクリーンはとても安定した印刷技術で、通常の印刷ではこの方式がもっとも普及しています。しかし、この方法では、繰り返しパターンのある模様などでは網点が干渉しあって「モアレ」と呼ばれる縞模様が発生したり、ハイライトやシャドウ領域の階調の再現性に問題がありました。これらの弱点を補う方法として開発されたのが「FMスクリーン」と呼ばれる方式です。
FMスクリーンは一定サイズの網点をランダムに配置し、色の濃い部分は多数の網点、色の薄い部分は少ない網点と、網点の距離(密度)の変化で色を表現します。AMスクリーンのように独自の角度を持たないためモアレが発生しないのが特長ですが、高い印刷技術が必要なこと、中間調の色にザラつきがでるなど問題がありました。
これらAMスクリーンとFMスクリーンの長所を活かした方式が「フェアドット」です。

フェアドットとは

フェアドットでは、画像の濃淡にあわせてFMスクリーンとAMスクリーンを使い分けています。濃度1〜10%のハイライト領域と90~99%のシャドウ領域では、FMスクリーンのように同じ大きさの網点を使い、密度の変化で色の濃淡を表現。10~90%の中間領域はAMスクリーンのように網点の大きさで色の濃淡を表現します。また、網点に角度を持たせないことで、AMスクリーンの弱点である小さな文字や細い線、モアレが発生しやすい絵柄の再現性を格段に向上されています。これにより、一般的な印刷物の線数(1インチ四方の中にある網点の数)175線に対して、フェアドットでは300〜400線相当の印刷を実現し、これまでにない美しくシャープな高精細印刷が可能になりました。

フェアドットの特長

FMスクリーンとAMスクリーンの長所を活かしたフェアドットには下記のような特長があります。
小さな文字のかすれや細い線の線切れの解消。
生地やメッシュなど、モアレが発生しやすい絵柄を美しく再現。
中間調の色のザラつきを改善。
400線相当のきめ細やかな高精細印刷の実現。
こうした特長からフェアドットは、宝飾品や自動車、建築物などの商品、緻密な生地、写真、絵画など、シャープに美しく仕上げたいものの印刷に効果的です。

印刷物

フェアドットはAMスクリーン、FMスクリーン両方の特性をあわせ持つことから「ハイブリッド方式」ともいわれ、次世代の印刷方式として注目されています。上に紹介したフェアドットの特長を踏まえて、印刷物制作の際には印刷の手段の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。